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大学で学んだ知識を活かしたいと考え就職活動をしていた髙山は、合同企業説明会で出会った日本無線を志望した。任される業務範囲が幅広く、「機械設計にもシミュレーションにも携わりたいと考えていた自分にとって最適な企業」だと感じたからだ。
日本無線では技術総合職(開発・設計職)として入社すると1年間は、2ヵ月間のローテーションでさまざまな部門を体験し、技術や仕事の進め方など多くの事柄を幅広く学ぶ。そして2年目に半年間の仮配属を経て本配属となる。
「本配属にあたり、機構設計部の中でもPHSやETC等を取り扱っているグループを希望しました。防災情報システムなどの大きな筐体の設計にも興味があったのですが、コンパクトな製品の方がより緻密な設計が求められるような気がしたのです」
配属希望が叶い本配属となった髙山は現在、車載関連機器を開発するチームの一員となっている。主に任されているのは、引っ張りや曲げの強度や耐熱性、振動性などをシミュレーションで分析・評価し、結果をチームにフィードバックすることだ。
「大学で研究していたシミュレーションに関わっていますし、毎日とても充実しています。大学時代と違うのは時間が限られていること。時には『明日までに仕上げなければならない』といった納期の短い業務もありますが、ミスがおこらないように最新の注意を払って取り組みます。急がば回れ、ですね」
現在、開発は佳境を迎えているため、これから今まで以上に緊急の案件も増えることが想定される。しかし抜群のチームワークを武器にチームは佳境を乗り越えることができると髙山は信じている。
「先輩、上司には本当に恵まれていて、チームの結束は固いと感じます。また、機構設計部全体が質問などをし易い気さくな雰囲気なこともありますが、先輩方はソフトウェアの使い方といった基本的な質問はもちろん、専門的な疑問にも何でも答えてくださるので知識の奥深さに驚きます」
技術者・設計者としてのキャリアをスタートさせたばかりの髙山にとって、現在は仕事の進め方を覚え与えられた業務をこなすのに精一杯だが、まずは一人前の設計者になることが当面の目標だ。
髙山の心に残っている上司の言葉がある。
「ただ設計するだけなら誰でもできる。しかし競合会社と当社の製品が同じ性能や価格だったとき、差が出るのは機械設計なのだ。デザイン、手触り、使い勝手・・・。お客様に選んでいただける設計をしよう」
髙山はこの言葉が忘れられない。いかにお客様目線に立った設計ができるのか。業務で悩んだとき、繰り返し自問することもある。そして、理想とする設計者になるために、もっともっと知識も経験も必要だとの結論にたどり着いた。 社内研修にはできるだけ参加し、不明な点があれば先輩に聞くだけではなく自ら調べる。そして国家資格である技術士の取得も目指す。また先輩達が日常的に海外へ出張する姿を見て、自発的に英語の勉強も続けている。
「当社は創立100年を越える歴史ある企業であり、これまでにも多くの製品を世の中に送りだしてきました。ロングセラーとなっている製品も少なくありません。私も立派な設計者となり、10年、20年とお客様に愛される製品を開発したいと思っています」
髙山は、夢の実現に向かって走り続ける。
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